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第三弾 2022 年 1 月から法務省や銀行、資金洗浄を点検

2022.01.04

【背景】
マネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)は2021年8月30日、対日審査の結果を発表しました。小規模な金融機関などの対応が不十分だとして、実質不合格の判定を出されております。
金融以外の業種でも対策に不備があると指摘し、政府は省庁横断のチームをつくり、法定刑の引き上げを含む対策強化に動いております。FATFは39の国・地域が加盟し、200以上の国・地域にマネロン対策を勧告しております。
審査で「重点フォローアップ国」に区分けされたのは日本のほか、米国や中国など計19カ国。事実上の合格となる「通常フォローアップ国」は英国、ロシアなど8カ国に留まります。
日本は「観察対象国」は免れたものの、今後5年間で改善状況をFATFに3回報告する必要があり。改善が進まなければFATFから名指しで対応の遅れを批判されるリスクがあります。
【2022年度からの日本の対応】
法務省と金融庁、金融機関は 2022年1月から非上場を含む株式会社に、大株主に関する情報を法務局に提出するよう促します。マネーロンダリング(資金洗浄)に関わった不審な企業や人物が大株主になっていないかを点検します。
その対象は、企業の大半となる約350万社にのぼります。大企業と異なり、一部の中小企業については経営実態が不透明な面もありましたが、大株主情報の収集をきっかけに、実態把握を進めていきます。
テロを含めた国際犯罪を未然に防ぐ上で世界的に取り締まりが厳しくなる一方、手口が巧妙化されている現状。金融機関にとっては、不正検知の対策が急務になっております。
金融庁は2022年夏にかけて、金融事業者がマネーロンダリング(資金洗浄)対策を十分にとっているかを集中的に検査する方針。銀行に加え、信用金庫、信用組合、スマートフォン決済事業者や暗号資産の交換業者、総数160社を対象とし、検査を通じて不正送金対策の底上げを実施していきます。


(引用:日本経済新聞「マネーロンダリング 国内金融、対策急務に」)

【実質的支配者リスト制度の創設】
 令和3年9月17日、法務省が、法人設立後の継続的な実質的支配者の把握について、取組の一つとして、実質的支配者リスト制度を創設し、令和4年1月31日から制度を開始することを発表しました。
株式会社(特例有限会社を含む) からの申出により、商業登記所の登記官が、当該株式会社が作成した実質的支配者リストについて、所定の添付書面により内容を確認し、その保管及び登記官の認証文付きの写しの交付を無料で御利用できます。

【今後の展望】
 FATFが日本のマネロン対策の遅れを指摘し、銀行の経営リスクとして浮上する中、官民が連携して監視を強めていきます。
銀行は口座開設や融資の際に企業に提出を求め、実効性を持たせることができるようになり、株式会社を対象に、議決権ベースで直接・間接的に25%超の株式を保有する大株主の名称や保有割合、住所などの情報を書面で提出してもらうようになります。
金融機関が企業に提出を求めれば、最新の株主情報を入手できるようになる他、株主情報をもとに、企業がマネロンの温床となりやすいかの判別材料となり、情報は法務局がチェックして、7年間保管します。
株主企業や個人の属性、履歴が把握しやすくなるため、マネロン対策以外の不正行為も未然に防げるとして効果が期待されています。
現在の反社チェックは企業による努力義務とされておりますが、今後義務化していく可能性が高いです。


(引用:日本経済新聞「マネーロンダリング 国内金融、対策急務に」)

日本信用情報サービス株式会社は、警察庁の協力企業として、官民一体での反社会的勢力の排除に向けた取組を実施していきます。2022/1/4 情報管理分析部