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企業不正・社内不正はなぜ見逃される?浜岡原発の中部電力データ不正から考える不正調査と内部統制

30秒でわかる概要

  • 中部電力の浜岡原発3・4号機の再稼働審査をめぐり、耐震設計の基準となる地震動評価において、不適切な方法によるデータ選定が行われていた問題が発覚
  • 外部専門家による調査委員会が事実関係や原因を調査し、2026年9月14日に調査報告書が公表された
  • 問題の背景には、組織風土や内部統制、現場へのプレッシャーなど、企業が社内不正を防止するうえで見過ごせない課題が存在
  • 社員による横領・着服、架空取引、キックバック、情報持ち出し、データ改ざんなどの企業不正は、通常業務の中に紛れ込み、経営者から見えにくい場合がある
  • 内部通報制度や社内監査だけに依存せず、不正の兆候がある段階で第三者による企業不正調査を検討することも企業リスク管理の選択肢となる

出典:時事通信社「『経営層が審査遅延を批判』=担当者不適切行為の要因に―浜岡原発不正で報告書・中部電」(2026年9月14日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026091401016&g=eco

企業不正や社内不正は、ある日突然始まるとは限りません。

社員による横領や着服、架空取引、キックバック、経費の不正利用、機密情報の持ち出し、取引先との癒着、データ改ざんなど、企業で発生する不正にはさまざまな種類があります。

「この程度なら問題ない」「会社のために必要だ」「これまで同じ方法でやってきた」

こうした判断が組織内で積み重なり、いつの間にかコンプライアンス違反や内部不正が常態化しているケースもあります。

2026年9月14日、中部電力は浜岡原子力発電所3・4号機の新規制基準適合性審査をめぐる不適切事案について、外部専門家のみで構成された調査委員会による調査報告書を公表しました。

今回の問題は、大企業や電力業界だけに関係する特殊な事例として捉えるべきではないでしょう。

経営者にとって注目すべきなのは、不適切な行為そのものに加え、なぜ組織内部で問題を防止・是正できなかったのかという点です。

企業不正調査

浜岡原発で明らかになったデータ不正とは

問題となったのは、浜岡原発3・4号機の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査です。

中部電力は、浜岡原発の地震動評価における代表波選定について、審査会合で説明した内容と異なる方法や意図的な方法で実施されていた疑いが確認されたとして、2026年1月に公表していました。

その後、同社から独立した外部専門家のみで構成される調査委員会が調査を進め、9月14日に調査報告書の開示版が公表されています。

時事通信の報道では、経営層による審査スケジュールの遅れへの批判や叱責が、担当者らを不適切な行為へ駆り立てる要因になり得たと認定されたことなどが伝えられました。

一方、経営層が不正そのものを指示したと認定されたわけではありません。

ここは企業の内部統制やコンプライアンス体制を考えるうえで、非常に重要なポイントです。

経営者自身が「不正をしろ」と指示していなくても、目標達成や納期に対する過度なプレッシャーが現場の判断をゆがめ、結果として社内不正やコンプライアンス違反につながる可能性があるためです。

内部通報があっても社内不正を発見できないことがある

企業不正を防止するため、多くの企業が内部通報窓口やコンプライアンス規程、内部監査などの制度を整備しています。

しかし、制度が存在していることと、不正を確実に発見できることは同じではありません。

問題を指摘された部署自身が「問題ではない」と判断すれば、社内調査が十分に進まない可能性があります。

専門性の高い部署の場合には、経営層や管理部門が業務の詳細を把握できず、現場から報告された内容をそのまま受け入れてしまうことも考えられるでしょう。

さらに注意しなければならないのが、不適切な行為を行っている本人や周囲の社員に「不正をしている」という認識が乏しくなっている状態です。

「以前から同じ方法でやっている」
「会社の利益のために必要だ」
「この部署ではこれが普通だ」

こうした認識が組織内で共有されれば、本来は問題のある行為であっても、誰も疑問を持たなくなる可能性があります。

社内不正を発見できない原因が、特定の社員だけではなく、組織風土や内部統制そのものに存在するケースもあるということです。

社員・従業員による「不正の兆候」を見逃さない

企業不正調査は、不正が確定してから始めるものとは限りません。

経営者が注意したいのは、日常業務の中に現れる「不正の兆候」です。

例えば、特定の社員だけが取引先とのやり取りを独占している、担当変更や休暇取得を極端に嫌がる、領収書や請求書に不自然な点がある、特定業者への発注が集中している、報告される数字と実態が合わないといった変化が挙げられます。

社内データへのアクセス状況や、退職前後の情報持ち出しなどに違和感が生じるケースもあるでしょう。

もちろん、こうした行動だけを理由として従業員が不正を行っていると判断することはできません。

だからこそ必要なのが、客観的な事実確認です。

特に、社員による横領・着服、経費不正、架空請求、キックバック、情報漏洩、営業秘密の持ち出し、取引先との癒着などは、通常業務の中に紛れ込むため、発覚まで時間を要する場合があります。

不正が長期化するほど企業の損失が拡大する可能性もあることから、早期に兆候を把握し、必要に応じて不正調査を行うことが重要です。

企業不正調査

「会社のため」がコンプライアンス違反の入り口になる

企業では、売上目標や納期、事業計画、プロジェクトの期限などが設定されています。

経営者が目標達成を求めること自体は、通常の企業活動といえます。

しかし、

「何としてでも今期中に達成してほしい」

「これ以上スケジュールを遅らせるな」

「なぜ目標を達成できないのか」

こうしたメッセージが繰り返されることで、現場が「正しい手続きを踏むこと」よりも「結果を出すこと」を優先する可能性があります。

最初は小さな数字の調整だったものが、虚偽報告やデータ改ざん、報告の省略、証拠の隠蔽へと発展することも否定できません。

それが部署内で長期間共有されれば、本来はコンプライアンス違反であっても「この会社ではこれが普通」という認識へ変化する恐れがあります。

経営者が社内不正を把握するころには、一人の従業員による問題ではなく、部署単位、場合によっては複数部署を巻き込んだ企業不正へ発展しているケースも考えられます。

経営者が確認すべき「社内不正」のリスク

経営者のもとには、日々さまざまな報告が届きます。

しかし、企業リスクを管理するうえで重要なのは、報告された情報だけで会社の状態を判断しないことです。

経営者に報告されていない事実はないか。

数字やデータに不自然な点はないか。

特定部署だけで意思決定が完結していないか。

特定の取引先との間に不透明な金銭の動きはないか。

内部通報や社員からの指摘が適切に処理されているか。

特定部署で退職者が相次いでいないか。

表面上は順調に見えていても、その裏側に内部不正やコンプライアンス違反の兆候が隠れている可能性があります。

「問題が発覚してから調べる」のではなく、疑わしい兆候が生じた段階で事実関係を確認することが企業リスク管理では重要になります。

社内調査だけでは企業不正を解明できないケースも

不正の疑いが生じた場合、まず社内調査を実施する企業は少なくありません。

もちろん、社内で十分な事実確認ができるケースもあります。

一方、対象者が管理職や役員である場合、複数部署が関係している場合、長期間にわたって不正が続いている場合などは、社内だけでは十分な調査が難しくなることも考えられます。

「長年会社に貢献してきた社員だから」

「重要な取引先との関係を壊したくない」

「大きな問題にはしたくない」

こうした人間関係や上下関係、社内事情への配慮が調査範囲や判断に影響すれば、本来確認すべき事実までたどり着けない恐れがあります。

また、内部統制そのものが機能していなかった場合、その仕組みを運用してきた組織だけで原因を究明することには限界もあります。

だからこそ、内部通報や不正の兆候を把握した段階で、第三者による企業不正調査という選択肢を持っておくことが企業防衛につながります。

企業防衛リスクサービス株式会社の「企業不正調査」

企業防衛リスクサービス株式会社では、企業内で発生するさまざまな不正・不審事案について、事実関係を明らかにするための企業不正調査を提供しています。

企業内部では、社員による横領や着服の疑い、架空取引・架空請求、取引先からのキックバック、情報漏洩、営業秘密の持ち出し、取引先との癒着、内部通報によって発覚した疑惑など、さまざまなリスクが発生します。

例えば、

「社員による不正の可能性があるが、証拠がない」

「内部通報を受けたものの、事実かどうか判断できない」

「取引先と従業員の関係に不自然な点がある」

「横領や着服が疑われるため調査したい」

「情報漏洩や営業秘密の持ち出しが疑われる」

「社内調査だけで十分なのか判断できない」

このような段階でも、外部による企業不正調査を検討できます。

重要なのは、疑惑のある社員や役員を最初から「不正を行っている」と決めつけることではありません。

必要なのは、客観的な情報を収集し、実際に何が起きているのかを事実ベースで確認することです。

調査によって不正が確認されなければ、それも経営判断に必要な情報となります。

一方、不正の兆候や事実が確認された場合には、問題がさらに拡大する前に対応を検討できるでしょう。

企業不正調査は「犯人探し」ではなく企業を守るリスク管理

「企業不正調査」と聞くと、事件が発生した後に犯人を特定するためのものというイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、不正調査の目的はそれだけではありません。

経営者が把握できていない社内リスクを可視化し、その後の適切な経営判断につなげるための手段としても活用できます。

今回の浜岡原発をめぐる問題では、地震動評価における不適切な行為だけでなく、組織風土や内部統制など、企業の不正防止を考えるうえで重要な課題が浮き彫りになりました。

中部電力自身も、調査報告書を踏まえた再発防止策として、「閉鎖性の排除と多様な視点の導入」や「不正リスクに対する感度向上に向けた牽制機能の強化」などを掲げています。

企業不正が表面化した際に失われるのは、金銭だけではありません。

顧客、取引先、株主、金融機関、従業員、そして社会からの信用にも影響が及ぶ可能性があります。

経営者に求められるのは、「うちの会社に限って」と考えることではなく、経営者から見えない場所で何が起きているのかを確認できる体制を持つことではないでしょうか。

企業内部に少しでも違和感がある、内部通報を受けた、社員による横領や着服、情報持ち出しなどの疑いがある――。

まだ不正と断定できない段階だからこそ、客観的な事実確認には意味があります。

企業防衛リスクサービス株式会社では、企業内部の不正・不審事案に関する企業不正調査のご相談を承っています。

社内不正や従業員による不正の兆候を放置せず、企業の信用と事業を守るための早期調査をご検討ください。

企業不正調査

参考・出典

時事通信社
「『経営層が審査遅延を批判』=担当者不適切行為の要因に―浜岡原発不正で報告書・中部電」(2026年9月14日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026091401016&g=eco

中部電力株式会社
「浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案に関する調査報告書の公表」(2026年9月14日)
https://www.chuden.co.jp/publicity/press/1218316_3273.html

中部電力株式会社
「浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案に関する再発防止策の方向性」(2026年9月14日)
https://www.chuden.co.jp/publicity/press/1218327_3273.html

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