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コラム

Column

あなたは、また騙されていませんか? カニカニ詐欺 後編

2026年10月7日

日本信用情報サービス株式会社
情報分析部
関口美由紀

突然の電話で勧誘された際は、購入歴や住所を尋ねられても答えず、その場で注文や支払いを了承しないでください。いったん電話を切り、知らない番号からの着信には留守番電話や迷惑電話対策機能を活用します。
すでに情報が使われていると感じた場合は、業者名や電話番号、電話の日時、話した内容を記録してください。勧誘を受けたら、購入する意思がないことをはっきり伝えましょう。繰り返し接触されても、その場で応じないことが、次の被害を避けるための一歩です。

2026年、品質の低い海産物を送り付けて代金をだまし取ったとして、札幌市の会社役員ら男7人が逮捕、送検されました。

7人は、電話をかけた相手に過去にも取引があったように装い、虚偽の説明で海産物を購入させていました。

購入者は、なんと! 全国で約4万2,000人
売上額は、なんと! 約9億1,000万円に上るとみられています。

この事件で使われたのは、過去の購入を口実に注文済みだと思わせる手口です。電話では「以前も注文を受けている」「前回の注文時に今回分も受けている」と告げ、新たな勧誘ではなく、すでに成立した注文を確認するかのように説明。商品は実際に届くものの、品質は価格に見合わないものでした。

なぜ、そんな電話がかかってくるのでしょうか?

電話勧誘販売で契約した場合は、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、原則としてクーリング・オフができます。不審な電話や商品が届いた場合は、消費者ホットライン「188」または警察相談専用電話「#9110」へ相談してください。

詐欺や悪質商法では、氏名、住所、電話番号、年齢、過去の購入履歴などを記載した名簿が犯行に利用されています。架空の購入歴を持ち出すだけでなく、実際の購入履歴を利用して同じ人物に再び接触する詐欺にも注意が必要です。


日本信用情報サービス

一度詐欺に遭った人や、過去に商品を購入した人の情報をまとめた名簿は、俗に「カモリスト」と呼ばれています。

カモリストには、氏名や連絡先だけでなく、購入した商品、支払った金額、勧誘への反応などが記録される場合もあります。犯罪グループがこうした名簿を利用するのは、無作為に電話をかけるよりも、過去に勧誘に応じた人へ標的を絞り込めるからです。

カモリストには、氏名や連絡先だけでなく、購入した商品、支払った金額、勧誘への反応などが記録される場合もあります。犯罪グループがこうした名簿を利用するのは、無作為に電話をかけるよりも、過去に勧誘に応じた人へ標的を絞り込めるからです。

今回のカニカニ詐欺では、少年を含む10人以上が雇われ、海産物の勧誘電話をかけていました。警察は、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」が関与した疑いも視野に捜査しています。

トクリュウは、中核となる人物を匿名化し、犯行ごとに実行役を集める犯罪グループです。メンバーを固定せず、電話をかける役、金銭や商品を扱う役などを分担させます。表に出る人物が入れ替わるため、逮捕された実行役だけでは、組織の全体像を把握できません。

逮捕された7人がトクリュウの構成員だったと確定したわけではなく、現時点で確認できるのは「関与した疑い」までです。しかし、10人以上に勧誘電話をかけさせ、複数の販売業者名を使用していた事実から、個人による一度限りの犯行ではなく、役割を分けた組織的な犯行とも考えられるのです。

国民生活センターには、「25年前に当地で魚介類を購入した名簿がある」と告げられ、海産物を勧められた相談も寄せられています。購入から長い年月が経過した情報でも、勧誘に利用された事例です。

カニなどの海産物は年末に購入機会が増えるため、国民生活センターは電話勧誘や送り付けのトラブルに注意を呼びかけています。

海産物の電話勧誘販売や送り付けに関する相談件数は、2023年度の2,876件から、2024年度には3,538件、2025年度には4,358件へ増加しました。

年末に向けて、この手の詐欺は絶対に増えます。その場で購入を決めず、明確に断ることが重要です。

注文していない商品が代金引換で届いた場合は、代金を支払わず、受け取りを拒否します。家族宛ての商品であれば、本人に注文の有無を確認してから受け取るか判断してください。

被害者の情報が名簿に記録され、繰り返し利用される一方、詐欺事件で逮捕、報道された人物の情報も記録として残ります。

今回逮捕された人物の情報は、日本信用情報サービスの反社チェック・コンプライアンスチェックデータベース「JCIS WEB DBⓇ Ver.3」に収録されていました。

販売業者名や扱う商品が変わっても、人物に関する過去の報道記録は、企業が取引先を確認する際の手がかりになります。

法人名や屋号の検索だけでは、運営に関わる人物の過去は確認できません。代表者や役員についても調べ、該当する記録が見つかった場合は、同一人物かどうかを確認する必要があります。

日本信用情報サービス

一度狙われた人を繰り返し標的にする犯罪には、消費者も企業も、それぞれの立場で備える必要があります。消費者は過去の購入を持ち出す電話に注意し、企業は法人名に加えて、運営に関わる人物も反社チェック・コンプライアンスチェックの対象にしてください。

日本信用情報サービス