コラム

Column

IPO企業の「反市場的勢力チェック・反社チェック・コンプライアンスチェック体制構築」に向けて

2024年10月4日

2024年10月4日

日本信用情報サービス株式会社

情報分析部

関口美由紀

コロナ禍が明けて、経済成長が順調な新興企業、ベンチャーキャピタルやスタートアップ企業など、IPO志向が増加しています。

IPOとはInitial Public Offeringの略で、大企業に向けた東証上位の市場である「プライム市場」、実績ある中小企業に向けた中間市場の「スタンダード市場」、高い成長の可能性を有する企業に向けた市場の「グロース市場」と、プロの投資家のみが取引を行える市場「東京プロマーケット」に、新規株式公開をすることです。

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公募価格より高い上場初値がつくことも多く、株式投資家にとっては魅力的な市場です。企業活動において直接・間接的に影響を受け利害関係者となる、健全なステークホルダーは企業価値をより高めてくれます。そのため、企業はステークホルダーを大切にしております。

IPOの件数は「100年に一度の大不況」といわれた2009年から回復し、コロナ禍を過ぎて以降は日本でも高い水準の範囲内で推移しています。多額の資金調達や、公益性の高い銘柄として知名度の向上など、IPOにはたくさんのメリットがあり、起業家にとって株式公開は大きな転機になります。

しかし、そこに入り込もうとする輩も多く存在するという危機感は、常に持っておかなければなりません。

企業危機管理ではIPO企業に寄生する『反市場的勢力』『反社会的勢力』への危険性を早い時期から排除する必要があります。

また、上場後は株式市場で不正な取引を行い、違法な手段で利益を得る勢力のことです。

昭和の時代には「総会屋」と呼ばれる反社勢力が、株主総会に紛れ込む事案がいくつも報告されていました。総会屋についてはまた別のコラムで詳しく紹介しますが、簡単に言うと株主の権利を濫用し、株主総会で議事進行の妨害をすると脅して金品を要求するなど、会社から不当な利益を得るような輩です。また、ライバル会社が総会屋を送り込む、という手口もありました。

時代を経て、法改正や反市場的勢力の排除、反社会的勢力の排除など、コンプライアンス意識の高まりによって激減したといわれる総会屋ですが、完全に姿を消したわけではありません。今まで捜査対象であった暴力団や半グレの他に、新たなる脅威として警察庁が「匿名・流動型犯罪グループ(略称トクリュウ)」と呼ぶ犯罪集団が勢力を広げている状況が散見され、令和6年度版の警察白書にも多くの報告が記されています。

(「匿名・流動型犯罪グループ(略称トクリュウ)」については、また別のコラムで詳しくお伝えします)

反市場的勢力、反社会的勢力、匿名・流動型犯罪グループ、コンプライアンス違反企業、行政処分が行われた企業はもとより、IPOを志向する前に協力を仰ぐ税理士、IPOを志向する場合に協力してもらう公認会計士、弁護士……この中にも脅威は紛れ混んでいます。

これらの輩は、専門知識を悪用して、株価操縦やインサイダー取引などで証券市場や企業に寄生して、利益を吸い上げようと画策しています。

そのため、企業防衛として早い時期に内部統制を確立し、反社・コンプライアンスにおけるチェックシステムの構築導入を検討する必要があります。

かつては反社や武闘派だった総会屋ですが、令和の今は「特殊株主」としても存在しています。

当社の取引先でもある金融庁管轄のSESC・証券取引監視委員会によって、違法行為の調査をしておりますが、風説の流布(ふうせつのるふ。株価を意図的に変動させる目的のため、虚偽の情報を流すこと)によって不当に株価を吊り上げ、事実無根の情報を流すなどしながら、水面下で暗躍し続けているのです。

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現在は非常に規制が厳しくなったとはいえ、SNSでの炎上、メディアへのリークなど、あの手この手を駆使した風説の流布は、今も昔も変わりません。

「反社会的勢力」であることを隠蔽している人物・組織と知らずに、取引や採用業務において接触する危険性は常に隣り合わせです。業界や規模の大小問わず、ビジネスにコンプライアンスが重要視されている今、「反社・コンプライアンスチェック」で企業を取り巻く「リスク」から自社を守る企業防衛が必要です。

当社が提供している『JCIS WEB DB Ver3』は、新聞記事やWEB検索などの公知情報に加え、国内で唯一、警察関連の独自情報を保有しています。さらに『JCIS WEB DB Ver3』では、登記情報PDFデーターをアップロードすることで、商号・役員名を全て抽出して一括検索できるシステムを構築しております。検索工数削減を可能としたシステムは、日本信用情報サービス株式会社のみが保有する機能です。

日本信用情報サービス株式会社のデーターセンターでJCISVer3データーを国内最大規模で構築しており

★警察関連情報

★新聞情報 全国紙 地方新聞全紙 世界のブラックコンプライアンス情報

★行政処分のコンプライアンス情報

★全国警察署の発表情報

★反市場的勢力情報 SESC報道情報

★公安的他社では扱えない情報

対象となる企業名や氏名を検索画面に入力するだけで、反社・コンプライアンスチェックに必要な情報が一覧表示され、コストをかけずに企業危機を回避することが可能です。詳しい事例のご説明や、サービス使用法のご相談もお受けしておりますので、是非ともご相談ください。

日本信用情報サービス株式会社 会社概要
代表    :代表取締役社長 小塚直志
設立    :2018年3月
事業    :企業向け反社データベースの提供、KYC,eKYC,AMLに関するコンサルティング
URL    :https://www.jcis.co.jp/
本社    :神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9F
大阪オフィス:大阪府大阪市中央区城見2丁目2番22号