コラム

Column

地方紙なき反社チェック・コンプライアンスチェックに、企業を守る力はない

2025年7月18日

日本信用情報サービス株式会社
情報分析部
関口美由紀

現在、多くの反社チェック・コンプライアンスチェックサービス会社が、日経テレコンなどの新聞記事検索データを利用しています。
新聞記事をもとにしたデータベースは、情報量も多く、整った仕組みにも見えます。
しかし、実際には全国紙中心の記事を機械的に再利用しているだけの構造にすぎません。
反社チェック・コンプライアンスチェックにおいて、企業判断に必要な情報がすべて全国紙に載っているとは限らず、地方新聞にしか掲載されていない事例も多く見受けられます。
実際、日本信用情報サービスが扱った調査事例のうち、企業の取引可否や採用可否の判断に活用された情報の約80%は、地方紙の記事でした。

「虚偽」や「ごまかし」に対する世間の目が、かつてないほど厳しくなっています。どこかの市長のように「大学を卒業したつもりだった」といった言い分が通らないのと同様に、「地方紙にも対応しているつもりだった」という理屈も受け入れられません。
実態が伴わないまま「地方紙を網羅している」とうたう行為は、たとえ故意でなくても、反社チェック・コンプライアンスチェック全体への信頼を揺るがします。

地方新聞の情報がいかに重要か

全国紙では取り上げきれない現場の動きや兆候を、地域に根ざした新聞社が報じてきた例は数多くあります。
たとえば、中国新聞が地元政治家の買収リストを独自に報じた記事は、やがて全国報道へと広がり、政界を動かす一因となりました。また、西日本新聞が追及した郵政グループの不正も、結果的に経営トップの辞任につながっています。
こうした実績を支えているのは、地域密着型の記者たちによる継続的な取材の積み重ねです。

反社会的勢力に関する兆候も、地方から静かに現れます。トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)に関わる予備軍は、地方で小さなコンプライアンス違反を繰り返しながら、じわじわと足場を築いていきます。
性犯罪の“初手”となるような行為も、最初は地方紙の片隅に小さく報じられる程度です。

こうした段階で情報を拾えなければ、リスクの兆しにすら気づけず、気づいたときには手遅れになるケースもあります。地方紙を含めた調査体制こそが、その初期段階のリスクを捉え、企業を守るための現実的な備えとなるのです。

見えない情報で「反社チェック・コンプライアンスチェック済み」と言えるのか

現在、多くの反社チェック・コンプライアンスチェックサービスが利用しているのは、日経テレコンなどの汎用的なニュースデータベースです。
これらは本来、全国紙や大手メディアの記事を検索するためのツールであり、反社会的勢力の情報収集を目的に設計されたものではありません。

一見すると整った仕組みに見えますが、実際には、全国紙を中心とした報道記事を機械的に再利用しているだけの構造です。

そのうえ、掲載基準も、反社会的勢力に関する網羅性や実務への適合性が前提となっているわけではなく、あくまで一般ニュースとしての記事構成の延長にすぎません。

そうした仕組みを、そのまま反社チェックとして提供し、「調査済み」と表記しているサービスもあります。検索画面の操作性や、表示される件数の多さに目を奪われると、肝心な欠落に気づかないまま、情報が揃っていると錯覚してしまいます。調査で本当に問われるのは、どれだけ情報が多いかではなく、必要な内容が確実に含まれているかどうかです。
その空白に気づかないまま判断を下せば、企業にとって見過ごせないリスクを抱え込むことになります。

反社情報の80%は地方紙に掲載されている

反社会的勢力に関する実務的な情報は、全国紙だけを見て把握できるものではありません。
地元でのトラブルや暴力団関係者の動向、地場企業とのつながり、行政との癒着といった取引判断に直結する情報の多くは、地方紙の中でこそ報じられています。

日本信用情報サービスが収集・整理してきた膨大な事例の中でも、企業にとって重要とされた情報の約80%は、地方紙の記事にもとづくものでした。
これは一部の例外的なケースではなく、むしろ継続的な傾向として、はっきりと現れています。

しかし、多くの反社チェック・コンプライアンスチェック業者が提供している情報には、地方紙のデータが含まれていないのです。企業判断に影響を与える可能性のある情報の大半を見落としたまま、「信用情報は調査済み」だと報告していることになります。
調査の品質は、表に出ている件数の多さではなく、見えにくいリスクをどれだけ拾えているかにかかっています。
その要となる80%が抜け落ちていれば、サービスとしての信頼性は根底から揺らぎます。

地方紙の情報が乏しいにもかかわらず、「地方紙も網羅している」とサービスを提供する反社チェック・コンプライアンスチェック業者は、残念ながら存在します。
「AI検索」や「便利さ」「安さ」を売りにして、肝心なリスクを見落としてしまう反社チェックに信頼性などあるのでしょうか。仮にこうした空洞化した調査体制の実態が報道されれば、反社チェックという仕組みそのものに対する社会的な評価が揺らぐ可能性は十分にあります。
日本信用情報サービスでは、地方紙の収集を行っていない企業が数多く見受けられるという事実を、反社チェック業界の闇として警告してきました。
こうした実態が公に明らかになれば、業界全体への不信が一気に広がっても不思議ではありません。

形式を満たすだけの反社チェック・コンプライアンスチェックでは意味がない

反社会的勢力との関係は、表向きの肩書や企業情報だけでは判断できません。
実態をつかむには、裏付けとなる情報や周辺の動きまで含めて丁寧に読み解く必要があります。

名刺や登記情報だけを見て判断すれば、すべてが「問題なし」と映ってしまいます。
しかし、地元紙をたどれば、暴力団関係者との関与や過去の不祥事、特定の団体との癒着といった、企業の判断を左右する重要な情報が記録されているケースもあります。

情報網の構築には、時間も手間もかかります。
そのため、近年は検索だけで完結するサービスが広がり、現場にもとづく実地調査は次第に減っていきました。
けれども、効率化と精度の両立は、そう簡単に成り立つものではありません。
日本信用情報サービスでは、全国紙に加え地方紙まで含めた情報のカバー率と、実務に即した分析体制の構築に力を注いできました。
見落としを許さない調査体制だけが、企業を誤った判断から確実に守ることができると考えています。

問われるのは 反社チェック・コンプライアンスチェックに「本気で取り組む覚悟」

反社チェック・コンプライアンスチェックには、形式だけでなく「本気で向き合う覚悟」が問われています。
日本信用情報サービスでは、全国紙や地方紙に加え、警察関連情報や公的記録を独自に収集・整理し、実名・実事件に関する反社・コンプライアンス関連の事例を日々蓄積しています。80人を超える専任スタッフが、情報の入力から精査、再確認までを一貫して担当し、調査精度の高いデータベースを支えています。
これほどの信用情報を継続的に集積している企業は、国内では日本信用情報サービスだけです。



また、反社チェック・コンプライアンスチェックに加え、採用時のリファレンスチェックやバックグラウンドチェックにも対応しています。
日本信用情報サービスのグループ会社「一般社団法人 企業防衛リスク管理会」が、過去の勤務状況や経歴詐称、素行などを丁寧に確認し、実務に即した信頼性の高い情報を提供しています。

いま、反社会的勢力は“変化”しています。
かつてのようなわかりやすい脅しや看板ではなく、匿名性を装い、正体を隠しながら、企業や個人に静かに近づいてきます。
SNS、フリーランス、副業、外注……。社会のスキマを突き、笑顔で歩み寄りながら、気づかれないうちに深く入り込んでくる。
そのときすでに、企業の中枢まで侵食されているという事例も報告されています。

「形式上の反社チェック」では企業を守れない

求められているのは、官民が連携し、ほころびのない防衛網を築くこと。
そして、企業自身が「守られる側」から「守る側」へと姿勢を切り替えることです。
拾い上げられていない情報があれば、そこを狙われます。
見抜けないすきがあれば、そこに入り込まれます。
もはや、「知らなかった」では済まされない時代です。
手を変え品を変え、姿を変えて近づく“危険”に対して、企業もまた変わり続けなければなりません。
その最前線に立つのが、反社チェック・コンプライアンスチェックという「情報による防衛手段」です。

企業の皆さま一人ひとりが、自社を守る覚悟を持ち、信頼できる「情報体制」を構築することが求められています。
見かけ倒しの反社チェックサービスに惑わされず、反社チェック・コンプライアンスチェックにおいて、どのような情報が必要なのか、どんな根拠で構成されたデータベースなのかを見極めたうえで、導入を検討してください。
それが、社員を、取引先を、そして社会全体を守ることにつながります。

反社会的勢力の排除は、一企業だけの課題ではなく、社会全体で取り組むべき共通の責任です。
それは、信頼ある経済活動を支える前提でもあります。
もし反社チェック・コンプライアンスチェックが、検索できる全国紙の情報だけに依存していたとしたら、企業は知らないうちに、危うい相手との取引に踏み込んでしまいます。
求められているのは、手軽に調べられる情報ではなく、本当に知るべき情報です。
そしてその多くは、地方紙にしか載っていないのです。

地方紙を含めた網羅的な情報体制と、それを読み解く実務的な視点がなければ、企業を守る反社チェック・コンプライアンスチェックは成立しません。
日本信用情報サービスでは、独自に収集した全国紙・地方紙、警察関連情報など、実名・実事件に基づく確かな調査体制を構築しています。
形式だけで終わらない、本当に信頼できる反社チェック・コンプライアンスチェックをお探しの企業さまに、日本信用情報サービスは実務に即した情報と判断材料をご提供します。

企業が健全な経営を維持するためには、反社会的勢力との関与を未然に防ぐことが不可欠です。特に、特殊詐欺グループや反社会的勢力が企業活動に巧妙に関与するリスクが高まっている現代では、採用や取引先の選定において、より慎重かつ徹底した対応が求められています。
JCISが提供する反社チェックは、こうしたリスクを事前に見極め、企業の安全で持続可能な経営を支える重要なツールとなります。

◆反社チェックとは
反社チェックとは、採用や取引先選定の際に、採用や取引先が反社会的勢力や犯罪に関与していないかを確認するための調査です。
これは、企業がリスクを未然に防ぎ、健全な事業運営を維持するために欠かせない重要なプロセスであり、社会的信用の維持にも直結します。

日本信用情報サービス(JCIS)は、Acuris海外リスク情報データベース、新聞社記事、警察関連情報など、多様なデータソースを活用し、信頼性の高い反社チェックを提供しています。
JCISの即時検索システム(Ver.3)は、最新情報を常時アップデートしており、迅速かつ確実なリスク管理をサポートします。

反社会的勢力の排除は、企業の社会的責任の一環であり、企業の信頼性と持続的成長を守るために不可欠です。
日本信用情報サービス(JCIS)の反社チェックを導入することで、リスク回避と安全な事業運営を実現できます。

◆導入のメリット

  • 反社会的勢力との関与防止:採用や取引先選定時におけるリスクを事前に回避
  • 迅速かつ正確な情報提供:最新情報を即時検索でき、スピーディーな意思決定をサポート
  • 企業の信用力向上:健全な経営基盤を構築し、取引先や顧客からの信頼を強化

企業のリスク管理体制を強化し、より安全で持続可能な経営を実現するために、日本信用情報サービスの反社チェック導入をご検討ください。

◆反社会的勢力との関与リスク
取引先選定で十分な調査を怠ると、知らぬ間に反社会的勢力や犯罪組織と関わってしまうリスクがあります。こうした関与は、企業の信用失墜や取引先・顧客からの信頼低下を招くだけでなく、法的責任や社会的批判といった重大なリスクを引き起こします。
企業の健全な経営を維持するためにも、徹底したリスク管理と反社チェックの実施が不可欠です。

◆経済的損失の拡大
反社会的勢力と取引を行うことで、詐欺や恐喝、資金搾取といった深刻な被害に巻き込まれる可能性があります。こうした被害は、直接的な経済的損失にとどまらず、取引先や顧客からの信頼喪失にもつながり、売上の減少や業績の悪化といった深刻な経営危機を招く恐れがあります。
企業の安定した経営を守るためにも、徹底したリスク管理と反社チェックの導入が不可欠です。



信頼性の高い反社チェックは日本信用情報サービス(JCIS)で

企業のリスク管理において、反社会的勢力との関与を未然に防ぐためには、正確かつ網羅的な情報収集が極めて重要です。多くの情報提供サービスがWeb上の公開情報に依存している中で、日本信用情報サービス(JCIS)は、より信頼性の高い独自の情報ネットワークを構築しています。

  • 警察関連情報を含む独自の情報網
    警察関連情報の提供を含む独自の情報網により、反社会的勢力の動向を的確に把握できます。
  • 全国の新聞紙面データを網羅
    地方紙を含む全紙の新聞紙面を原本レベルで収集・分析。多くのサービスがデータ化されていない記事や匿名加工された情報に頼る中、日本信用情報サービス(JCIS)は一次情報に基づいた正確な情報を提供します。
  • 事実に基づいた精度の高い情報
    一部のサービスでは、Web上の断片的で不確かな情報が含まれることがありますが、日本信用情報サービス(JCIS)は公式記録や信頼性のあるソースに基づいた正確なデータを提供します。
  • 幅広い情報ソースの活用
    地方紙を含めネット上で検索しにくい情報も収集し登録、幅広い情報源をもとにリスクを多角的に分析。情報の出典・信頼性を厳しく確認しています。
  • 個人情報保護にも配慮
    新聞紙面を基にした情報提供により、Web公開情報のように匿名化や削除の影響を受けることなく、より正確な情報が得られます。

 多くの他社サービスが新聞記事検索に依存している中、日本信用情報サービス(JCIS)は
反社チェック専用の情報サービスとして、企業のリスク管理と信頼維持に直結する情報を提供しています。信頼できるパートナー選びや、安全な経営環境の構築には、日本信用情報サービスJCIS)の反社チェックが最適です。

 また、近年懸念が増加している海外の反社情報もチェックが可能です。
コンプライアンス違反や犯罪、収賄罪、汚職、マネーロンダリングなど、さらなる企業リスクの低減に寄与致します。


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コンプライアンス関連の解説やご案内、その他コンプライアンス担当者様の頭を悩ませる
職場環境での問題についてクローズアップしています。


◆日本信用情報サービス株式会社 会社概要
代表    :代表取締役社長 小塚直志
設立    :2018年3月
事業    :反社チェックやAML・KYC対策を支援する高度なリスク情報データベースを、あらゆる業界・企業に向けて展開。シンガポールのARI社との提携により、国内外500万件以上のリスク情報を網羅。【検索件数780万件突破】低コストで企業リスク管理を実現したい企業様に最適なサービスを提供します。
URL    :https://www.jcis.co.jp/
本社    :神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9F
東京オフィス:東京都千代田区神田須田町1-4-4 PMO神田須田町7F
大阪オフィス:大阪府大阪市中央区城見2丁目2番22号

◆日本公益通報サービス株式会社 会社概要
代表    :代表取締役社長 小塚直志
設立    :2023年3月
事業    :企業の内部不正やハラスメントに対する外部相談窓口の設置、専門家による調査・対応支援、セミナー・研修の実施など、包括的なリスク管理ソリューションを提供。【専門家による対応可能】業界最安値で信頼性と実績を基にクライアントの職場環境改善とリスク軽減を支援します。
URL    :https://jwbs.co.jp/
本社    :神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9F

◆一般社団法人 企業防衛リスク管理会 概要
代表    :代表理事 小塚直志
設立    :2023年5月
事業    :オンラインセミナー・研修を含む多様なサポートの提供。信頼と実績を基に、安心・安全な職場環境の実現を強力に支援します。また、企業リスク回避のための探偵調査やカスタマーハラスメント対応の相談も承ります。【会員制倶楽部】会員間の交流を深める懇親会も定期的に開催中です。
URL    :https://cdrmc.or.jp/
本社    :神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9F

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