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データの削除は致しません! 日本信用情報サービスが背負う反社チェック・コンプライアンスチェックの責任と覚悟

2026年3月26日

日本信用情報サービス株式会社
情報分析部
関口美由紀

世界最大のインテリジェンスの会社も認めた『JCIS WEB DB Ver.3』という反社チェックデータベースの説明

日本信用情報サービスⓇの反社チェック・コンプライアンスチェックデータベース『JCIS WEB DBⓇ Ver.3』に登録されていた人物から、掲載削除を求める裁判が起きました。
逮捕歴があり地方新聞での報道も確認できる人物ですが「不起訴となったから、名前を登録し続けることは人格権侵害にあたる」と主張をしてきました。
本人側としては、不起訴である以上、反社会的勢力と関係があるかのような情報を保持され続けること自体が不当であり、データの削除を求める、との訴えです。
これに対し日本信用情報サービスの調査部では、「当該情報は公開報道に基づくもので企業が取引判断を行う際の参考資料として保持しているにすぎず、特定の評価を断定する目的ではない」との説明を行いました。

争点となったのは、事実があったかどうかではなく、どこまで情報を保持し、どのような形で利用することが許されるのかという線引きです。
裁判所は、データとして情報を保有すること自体を否定するものではないとしながらも、個人が特定される形で利用される場合には人格権への配慮が必要であり、その取扱いには一定の制限が求められるとの判断を示しました。
結論としては、情報の保有そのものは許されるが、利用の方法によっては制限を受けるという整理になります。

法律として見れば理解できる判断です。しかし、反社チェック・コンプライアンスチェックの実務の立場に立つと、この整理だけで現場の問題が解決するわけではありません。
企業のリスク管理は問題が起きてから確認するためのものではなく、起きる可能性を事前に把握し、取引を続けるかどうかを判断するために行われます。そのため現場では、疑いの段階で情報を確認し、慎重に判断をしなければならない場面が多くあるのです。
不起訴という結果に至っていたとしても、逮捕歴や報道歴の存在が取引判断に影響することは珍しいことではなく、むしろ当然の対応として受け止められるのです。

人格権の保護を優先して情報に制限がかかると、知っていれば回避できたリスクを事前に把握できなくなる可能性があります。
反社チェック・コンプライアンスチェックの運用は、まさにこの矛盾の上に成り立っており、法律だけを基準にすれば削除が妥当とされる情報でも、リスク管理の観点から見れば残しておく必要があるという現実から目を背けることはできません。 どちらを優先するかは一律に決められる問題ではなく、企業の事情や個々の事案ごとに判断せざるを得ないのが実情です。

日本信用情報サービスには毎年複数件の削除請求や実名掲載に関する問い合わせが寄せられています。今回のような削除要請や掲載に関する異議申し立ても、決して特別なものではありません。
それでも登録データを削除しないのは、『JCIS WEB DBⓇ Ver.3』に掲載している情報が、警察関連情報や地方新聞情報を含めた複数の資料を照合し、裏付けを確認したうえで登録されたものだからです。
実名を登録する以上、その判断には極めて重い責任が伴います。掲載の可否も十分な検討を経て決定しており、安易な登録は行っていません。

※画像はイメージです
2024年5月、該当者は暴力団関係者と共に男性を脅迫した疑いで逮捕された。

・暴力団幹部に依頼
・「指をちぎるぞ」などと脅迫した疑い
・民事トラブルを巡る圧力行為
・暴力団関係者が関与

一方で、反社チェックサービスを提供している他社の中には、日経テレコンなど既存の有料データベースに依存した仕組みになっており、収録されている情報は公開情報に限られます。報道の多くは伏字で掲載されるため、名前まで特定できないケースも多く、そもそも十分な情報に到達できないまま検索結果だけが提示されている例も見受けられます。 『JCIS WEB DBⓇ Ver.3』は、自ら収集し、自ら検証し、自ら責任を負うという前提で構築しているデータベースです。だからこそ掲載の判断を安易に変更することはできず、削除要請があった場合でも、根拠を確認したうえで慎重に対応することになります。

人格権の保護は重要です。しかし同時に、企業が重大なリスクを回避するための情報も守られなければなりません。この両立から目を背けたとき、反社チェック・コンプライアンスチェックは形だけの制度になってしまいます。日本信用情報サービスは、判断の根拠を曖昧にしたまま運用することはせず、必要な説明は尽くしたうえで、それでもなお見解が対立する場合には法的な手続きの中で整理していく姿勢を維持しています。
反社チェック・コンプライアンスチェックとは単なる検索ではなく、責任を伴う判断の積み重ねです。
その責任を引き受ける覚悟がなければ、企業を守るための反社チェック・コンプライアンスチェックは成立しません。


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