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コラム

Column

繰り返された結婚詐欺 刑期が終われば、過去も消えるのか

 

日本信用情報サービス株式会社
情報分析部
関口美由紀

2021年9月、福岡地方裁判所は、複数の女性から現金などをだまし取った男に、懲役5年6カ月の実刑判決を言い渡しました。

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JCISWEBDB 実際の画面
犯罪者 氏名

報道によれば、被告本人は、約6年間にわたり10人以上の女性から総額約1億円の金品を受け取ったと説明。

過去にも詐欺罪などで2度の実刑判決を受けていたことが伝えられています。

刑事裁判では、捜査によって証拠が集められ、起訴された事実を基に刑事責任を判断します。

今回、詐欺事件として立件された被害額は約700万円でした。
一方、被告本人は、受け取った金品の総額を約1億円と説明しています。

結婚詐欺
ロマンス詐欺
新聞

この大きな金額差を考えると、被害を訴え出なかった人がまだいるのだと思われます。
結婚詐欺やロマンス詐欺では、相手を信じたことへの後悔や、信頼を踏みにじられた屈辱感、精神的な傷から、周囲や警察へ相談できないまま被害を抱え込み、事件として表面化しないケースがあるのです。

有罪判決が言い渡されても、被害金が自動的に返還される仕組みはありません。男は、受け取った金品を「競艇などに使った」と供述したと報じられています。すでに費消され、十分な資力が残されていなければ、被害者が金銭を取り戻すことは極めて困難です。

裁判所が言い渡した刑期は、懲役5年6カ月。
複数の女性から金品をだまし取り、過去にも詐欺罪などで2度の実刑判決を受けていたという経緯を踏まえたとき、この刑期を十分と受け止められるでしょうか。法律に基づいて下された判決であっても、加害者に科される刑罰と、被害者が背負い続ける苦しみとの間には、大きな隔たりが残ります。

殺人と詐欺は、法律上まったく異なる犯罪です。
しかし、人の生命を直接奪う行為ではないからといって、被害は財産の損失だけではありません。

騙された
被害者

結婚詐欺は、相手の恋愛感情や結婚への希望を利用し、将来の生活を信じ込ませたうえで金品を差し出させます。被害者は財産に加え、信じた相手と過ごした時間や思い描いていた未来、人を信頼する気持ちまで失うのです。

詐欺は、被害者の生活を壊し、心を追い詰め、その後の人生に深い傷を残す犯罪です。
その被害の重さは、金額や刑期だけで測れるものではありません。

刑期が満了しても、過去に起きた事実は消えません。

日本信用情報サービスの反社チェック・コンプライアンスチェックデータベース「JCIS WEB DBⓇ Ver.3」に、反社会的勢力に関する情報だけでなくネガティブ情報も収録する目的は、刑期を終えた人物を裁き続け、社会から永久に排除することではありません。将来、その人物と関わる企業が、必要な情報を確認したうえで適切に判断できるようにするためです。

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反社チェック
コンプライアンスチェック

過去に罪を犯した人が、過去を公表せずに企業に入る。
または、そのような経歴を持つ人が、取引先の代表者や担当者だった。
バックボーンを知らずに企業に関われば、金銭や情報、権限を預けるという場面も生じます。

目の前の印象や自己申告だけに頼らず、過去の情報も踏まえて、その人物に何を任せられるのかを慎重に見極める必要があります。

今回の事件は、企業を標的にしたものではなく、個人間で起きた結婚詐欺です。それでも、他者の信用を利用して金品をだまし取った事実を、企業とは無関係な過去として切り離すことはできません。

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反社チェック
コンプライアンスチェック

日本信用情報サービスの反社チェック・コンプライアンスチェックデータベース「JCIS WEB DBⓇ Ver.3」には、企業を標的とした事件や反社会的勢力に関する情報だけでなく、結婚詐欺をはじめ、日常生活の中で起きた事件に関与した人物の情報も実名で登録されています。

人物情報は、収録されているだけでは企業防衛になりません。企業との接点が見えにくい人物であっても、採用や取引を通じて組織に関わる可能性があります。契約条件や任せる権限を決める前に人物情報を確認し、企業の将来を守るための判断材料としてお役立てください。

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